研究課題/領域番号 |
21592855
|
研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
堀口 雅美 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (10217185)
|
研究分担者 |
田中 豪一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10167497)
澤田 幸展 札幌医科大学, 医療人育成センター, 教授 (40045539)
加藤 有一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 助教 (90363689)
|
キーワード | ストレス / アロスタティック負荷 / 女性ホルモン / 指動脈弾力指数 / 心理社会的要因 / 食行動 |
研究概要 |
青年期および成人期女性の慢性ストレスと血管の健康度を結ぶ心理・社会・生物的メカニズムを包括的に解明するため、アロスタティック負荷(Allostatic load : AL)、指動脈弾力指数(Finger arterial elasticity index : FEI)、女性ホルモンを測定した。さらに食行動、怒り等の人格特性に関する質問紙調査を実施した。研究1:青年期女性87名を対象にFEI、血清エストラジオール・プロゲステロン、ALを測定し月経周期別に分析した。血清エストラジオールと血清プロゲステロンを制御変数としたALとFEIの偏相関係数は全体で-0.244(p<0.05),分泌期で-0.479(p<0.05)であった。女性ホルモンの影響を除いた場合でもALとFEIとの相関が認められ、ALの値が高いすなわち慢性ストレス負荷が大きいほど血管は硬くなることが示唆された。研究2:青年期後期の男性172名と女性225名を対象に食行動等の質問紙調査をした。食行動の因子構造の男女別比較では、「過食」は男女いずれも見られ、さらに男性で「早食い」が、女性で「外発性」が追加されるという特徴が見られた。大学生版食行動尺度(Eating behavior scale : EBS)によるEBS総合点との相関分析では怒りに関して有意な相関を示した尺度項目が男性に比べ女性の方がやや多いものの、攻撃性、首尾一貫感覚、抑うつ状態、知覚されたストレスでは男女ともほぼ同様の相関であった。研究3:大学生186名を対象に心臓足首血管指数(Cardio Ankle Vascular Index : CAVI)、血清脂質、食行動等を測定した。このうちEBS総合とCAVIの相関は男女いずれも認められなかった。以上より今後は女性ホルモンレベルの分類方法をより厳密にしてFEI、AL、心理社会的影響要因、食行動等の生活習慣の関連を検討していく予定である。
|