研究課題
青年期女性の慢性ストレスと血管の健康度を結ぶ心理・社会・生物的メカニズムを包括的に解明するため、食行動尺度(Eating Behavior Scale : EBS)、簡易型自記式食事歴法質問票(brief-type self-administered diethistory questionnaire : BDHQ)運動習慣、アロスタティック負荷(Allostatic load : AL)、心理指標を調査した。【研究1】健康な女性137名(189±1.5歳)を対象に、「やせ群」(N=29)、「標準群」(N=72)、「隠れ肥満群」(N=36)、の3群に分けて分析した。EBS総合では隠れ肥満群とやせ群との間に有意差が認められた(F_<2.134>=3.11,p<0.05)。AL値は隠れ肥満群とやせ群、隠れ肥満群と標準群の間に有意差が認められた(F_<2.134>=5.01,p<0.01)。これらより隠れ肥満群の食行動はやせ群に比してより不健康であること、AL値の多重比較からは、やせ群と標準群に比して隠れ肥満群の慢性ストレス負荷が大きいことが示唆された。【研究2】健康な女性139名(18.7±0.9歳)を対象に、運動頻度低群(N=61)、運動頻度中等度群(N=43)、運動頻度高群(N=35)に分けて分析した。運動頻度低群でEBS総合とBDHQのショ糖の相関はr=0.52(p<0.01)であった。食行動と怒り、攻撃性、首尾一貫感覚、抑うつ状態、および知覚されたストレスの相関で有意であった項目は運動頻度群により異なっていた。以上より、隠れ肥満群では他の2群に比して、食行動はより不健康で慢性ストレス負荷が大きいものの、運動頻度と食行動や心理指標といった因子を加えた分析が必要であると考えられた。
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Physiological Measurement
巻: 32 ページ: 1869-1883
DOI:10.1088/0967-3334/32/11/003
生理心理学と精神心理学
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