研究課題/領域番号 |
21592859
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
上野 昌江 大阪府立大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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研究分担者 |
和泉 京子 大阪府立大学, 看護学部, 准教授 (80285329)
鈴木 敦子 四日市看護医療大学, 看護学部, 教授 (50196789)
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キーワード | 子ども虐待 / 発生予防 / 養育支援 / 支援の見極め / 保健師 / 乳児早期 / 家庭訪問 |
研究概要 |
本研究の目的である出生後早期に養育支援が必要な子どもと家族を見極める指標と支援方略の開発に向けて平成23年度は以下のことを実施した。 1.乳児早期に養育支援が必要な子どもと家族を見極めるための事例検討会の実施 平成23年4月から平成24年3月までに12回(月1回)の事例検討会を実施し、保健師、助産師、大学教員で411事例を検討した。里帰りの18事例を除く393事例のうち、継続支援が必要な事例は164事例(41.7%)であった。また、事例検討会で継続支援が必要とし、保健師が電話連絡、家庭訪問等を行った事例のうち86事例(52.4%)が4か月健診受診後もさらに支援が必要であった。このことから乳児早期訪問からみると約2割が、4か月健診後も継続した支援が必要な事例であると考えられる。 2.乳児早期家庭訪問時の母親のEPDSおよび赤ちゃんへの気持ちと乳幼児健診時の育児不安との関連 これまでに実施した乳児早期家庭訪問時、4か月健診時、1歳半健診時の調査票について、3時点の調査票に回答した第1子をもつ母親155名の新生児期のEPDS,赤ちゃんへのボンディング、精神的問題の既往、経済的不安、実母への相談の有無と4か月健診時と1歳半健診時の子育てに対する気持ち、母性意識との関連をみた。新生児期のEPDSが9点以上の母親は、4か月健診時の育児不安が高く、母性意識は低かった。また、新生児期に赤ちゃんへの否定的な気持ちがある母親も4か月健診時、1歳半健診時の育児不安が有意に高く、母性意識は有意に低かった。乳児早期家庭訪問で実施したEPDSおよび赤ちゃんへの気持ち質問票は、将来育児不安等で育児支援が必要な母親を見極める指標として活用できることが示唆された。そのため、乳児早期家庭訪問でこれらの指標が高い母親に対して、早期に継続した支援を展開していくことが必要であると考えられる。
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