研究課題/領域番号 |
21592863
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
笠置 恵子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30101471)
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研究分担者 |
林 優子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (90419713)
土田 玲子 県立広島大学, 保健福祉学部, 教授 (30180011)
山崎 和子 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (30280209)
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キーワード | 肥満 / やせ / 発達障害児 / 要因分析 |
研究概要 |
本研究では近年増加傾向にある発達障害を伴う児の身体状況調査に基づき「やせ」と「肥満」の改善支援のための要因について多面的に検討することを目的としている。 初年度は本大学倫理委員会に申請し承認を得た上で今年度の計画に基づき対象者の選定と肥満頻度調査を実施した。 対象は本大学付設診療所の発達外来を受診した肢体不自由のない小中学生である。 性・年齢区分別肥満度別に見た場合、男性が女性よりも肥満者(肥満度20%以上のものと定義する)の割合は多く、男性では、5~8歳群で8.3%のものが肥満児で、9~12歳群では24.4%に増加し、13歳以上では17.2%と依然として肥満者が多い状態であった。一方女性では5~8歳群で9.4%、9~12歳群で10%とほぼ1割が肥満であった。また肥満度50%以上の高度肥満者は男性で5~8歳群ですでに存在し、9~12歳群では10.5%も占めていた。診断区分別に見た場合、高機能広汎性発達障害(PDD)に男女ともに肥満者が多く、知的障害を伴う男児の20%強が肥満者で、なおかつ高度肥満者も多いという特徴が見られた。 また身長、体重、腹囲、体脂肪率を計測し、保護者に対して「本人の食行動・生活習慣」と「肥満の家族歴」に関するアンケートを実施した結果、不規則な生活習慣・不適切な食行動を示す場合および家族(兄弟、父母、祖父母)に肥満者がいる場合に体脂肪率は高くなる傾向を示していた。 次年度は今年度の結果をさらに詳細に分析し、高度肥満者や肥満が継続している事例への働きかけに活かしていく予定である。
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