研究概要 |
本研究では近年増加傾向にある発達障害を伴う児の身体状況調査に基づき「やせ」と「肥満」の改善支援のための要因について多面的に検討することを目的としている。 平成22年度は平成21年度の結果をさらに詳細に検討し、新たに生活習慣チェックリストを開発し、対象者の生活習慣を含む家族環境要因との関連を検討した。 対象は本大学付設診療所の発達外来を受診した肢体不自由のない小中学生である。 1) 生活習慣チェックリストの開発:項目数,回答選択肢の数はプレテストを実施し短時間でかつ効果的に選択できるように工夫した。疫学研究の専門家と協議した結果,最終的に35項目・4回答選択肢とした。内容は食事、運動、家族歴、行動の特性からなる。2) 受診日に対象者の保護者に記入してもらい,希望する保護者自身にも実施した。3) 生活習慣チェックリストと諸計測値との関連を検討した。35項目中19項目が体脂肪率に関連する有意な要因として認められた。間食、肉食、スナック菓子や菓子パンが多い、野菜が少ない等の食事内容、脂っこいもの、甘いものが好き等の食嗜好という従来から指摘されている内容や低運動性以外に特有な食行動が8項目抽出された。3) 高度肥満者である事例への保健指導を実施し対象者への働きかけの示唆を得た。次年度はさらに詳細な要因分析と事例的保健指導を実施していく予定である。
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