研究概要 |
本研究の目的は、子育て不安を抱える家族とその家族を取り巻く非専門職の住民をエンパワメントし、関係形成を促すための妊娠期からの継続した子育て支援プログラムを開発すること、それらを通して応募者らの支援モデル(原田ら:実験社会心理学研究49,2009;原田ら:実験社会心理学研究50,2011)の精緻化を図ることである。 本年度は、(1)ニーズ調査の分析結果に基づき、子育て支援サポーター育成プログラム並びに子育てと仲間づくり支援に関するプログラムを立案し、評価方法を選定した。個人票の内容を検討し、様式を作成した。(2)ニーズ調査の結果は報告書としてまとめ、協力していただいた市町に報告した。(3)参加者を募集し、その意見も取り入れながらプログラムを修正し、参加者に提示するプログラムの目標や計画に関する資料と参加者全員分の個人票、プログラム実施に必要なリソースの手配等の準備をした。(4)子育て支援サポーター育成プログラムを計画に沿って実施した。内容は、子育て支援の動向と育児不安や対処法、支援する人の人間関係づくりの基本、子どもの成長や発達・病気・乳児期におこりやすい事故とその予防方法、妊娠期と育児期の母親の健康と生活、利用できるサービスと地域の社会資源、離乳食、マタニティヨガ、子どもの遊び、タッチケアについての講義と演習、グループワーク等であった。実施回数は8回、1回ごとの参加者は11名~7名、平均9.3名であった。全てに参加した者は3名であった。プログラム開始時の参加動機は自分のため(孫育てのため)が多かったが、グループワークの結果からは地域の子育て支援へと目が向けられていく様子が確認できた。結果は参加者にもフィードバックした。また、専門職支援者として参加している保健師、助産師、社会福祉主事等の間に関係が築かれ、よりよいプログラム運営と支援ができた。(5)子育て支援サポーター育成プログラム実施結果に基づいて次のプログラムの内容や日程を一部変更し、参加者を募集中である。
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