研究課題/領域番号 |
21592864
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
原田 春美 福岡大学, 医学部, 教授 (70335652)
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研究分担者 |
小西 美智子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 教授(学長) (20161961)
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キーワード | 子育て支援 / 住民全体 / 人間関係形成 / 支援モデル / 保健師 |
研究概要 |
本年度は、平成22年度に実施した子育て支援に関する支援側への介入プログラムに引き続き、「子育てと仲間づくり支援プログラム」を実施した。 1.参加者:支援を受ける側の住民は12名で、夫婦での参加は5組であった。支援側は昨年度実施の「子育て支援サポーター育成プログラム」修了者のうち3名であった。係った主な専門職は、保健師、助産師、保育士で、その他講義・演習の内容により、医師、栄養士、ヨーガ指導者、タッチケア指導者に協力を依頼した。 2.プログラムは全14回であった。産前プログラムは妊娠5~6か月頃からの実施で、月1回、計4回開催した。産後プログラムは出産後2カ月頃からで、月2回、計10回開催した。プログラムは仕事を持つ者も参加できるよう土曜日午後の開催とし、1回2時間30分とした。内容は、受付、挨拶、前回の振り返り、今日の目標と計画の説明、講義や演習、交流会、形成的個人評価のための振り返りシートの記入等で構成した。最終回はお茶会として、参加者全員で意見や感想を述べると共に、今後の関係形成への手掛かりづくりの時間とした。講義・演習の内容は妊娠や子育て不安に関するものとし、産前は毎回「妊娠期の母親の健康と生活」、産後は毎回「この時期の子どもの様子と子どもの世話」について説明し、相談する時間を設けた。プログラム開催時には保育士による託児を行った。 3.評価は、フィードバックのための形成的評価(形式的個人評価票による自己評価、指導者からの情報等)と成果達成等に関する総括的プログラム評価(プログラム開始前・産後プログラム再開時・プログラム終了時の総括的個人評価票による自己評価と指導者の評価、形成的個人評価の結果、毎回のプログラム内容についての実施記録や出席状況の検討等)を行った。 4.参加者は同じ妊娠月数の(産後は同じ月齢の児を持つ)固定メンバーであり、その時々の参加者のニーズに対応したプログラム内容で実施できた。参加者同士が同じ課題を抱える者と認識でき、交流を深めることができるよう配慮した結果、プログラム途中から関係形成が観察された。特に夫同士の関係形成は早期から観察され、今後の子育て支援におけるその重要性を示唆する結果と推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画したプログラムは予定通り実施した。評価データも計画通りに収集でき、分析しているところである。プログラム開発は平成24年度の予定であるが、これらの結果からプログラム開発や今後の展開について、いくつかの示唆を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
実施した「子育て支援サポーター育成プログラム」と「子育てと仲間づくりの支援プログラム」の評価を踏まえて研究者間で検討すると共に、研究参加者に対する聞き取り調査を行う予定である。これらに基づき、子育て支援に関する介入プログラムを開発する。また、保健師支援モデルの精緻化については、プログラム評価や聞き取り調査の結果、開発した介入プログラムとの関連において検討すると共に、実施に係わった専門職に検討結果を提示して意見を求め、修正する。
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