交通外傷の予防をテーマに、神奈川県下の高校生を対象とした外傷予防教室を大学キャンパスで開催した。交通事故による外傷が受傷者の心身にどのような影響を与えるかの講義を行い、シートベルトコンピテンシーやドライブシュミレーターなどのシミュレーション学習や高次脳機能障害を抱える患者と家族の講話、鏡文字の記述や片麻痺体験、一次救命処置と止血、固定法の演習を実施した。教室終了後に、授業評価と参加者の学習ニーズ調査を実施した。また、外傷予防教室への開催に協力を得ている団体、個人に参加を頂いて、第一回外傷予防教室協議会を開催した。 研究成果を国内外の学会で発表し、関連領域の研究者と意見交換することで、高校生を対象とした外傷予防教育技法の特徴や交通外傷以外の外傷予防についての示唆を得ることができた。 外傷予防教室に参加した高校生の多くは、自らが外傷を負うことを想定して外傷予防教室に参加したのではなく、傷ついた人を助けることに高い関心を持っていた。さらに、医療系の高等教育を受ける希望を持っている高校生の参加が多いことが明らかとなった。 2011年度以降は、高校生を対象とした外傷予防教室の開催日を増やすと共に、神奈川県下の高校養護教諭の先生方に本活動を知ってもらう目的で、外傷予防教室を開催する準備を進めている。
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