高校生が外傷を予防する能力を向上させるための教室を開催し、外傷予防能力を高めるための方略と講義評価を行うとともに、受講生を増やすための方略を検討した。 神奈川県下の養護教諭に「外傷予防教室」について知っていただき、「模擬外傷予防教室」を開催し、授業評価と改善への示唆を得た。保健委員をしている高校生が文化祭で、一次救命処置の指導を一般の高校生や地域の人たちに実施するための指導を行い、外傷予防への取り組みへの関心と支援方法について、検討した。 外傷の原因を、交通外傷と災害外傷の2コースにして、それぞれの予防法についてのカリキュラムを開発した。講師と高校生が相互にやり取りを行う「クリッカーを用いたQ&A」の講義形式を導入し、関心を高める方略を検討した。災害外傷予防については、阪神大震災と東日本大震災での死者および外傷者の人数や特徴について、講義するととともに、一次予防から三次予防までの流れに関連させて、リスクマネージメントとクライシスマネージメントの違いについて理解を深められるカリキュラムを開発した。 2011年度の外傷予防教室に参加した経験を持つ高校生に、家族を対象とした外傷予防教室を自宅で開催するための「家族への外傷予防教室」開催の計画を立案し、応募者を募ったが、参加者はなかった。 2011年度の外傷予防教室は、面識のない人とお互いに知り合い、コミュニケーションがとれるようになることや暗闇で協力してサバイバルする方法、車内からの緊急脱出法などのシミュレーション学習を取り入れた。今後も、シミュレーション型学習法と演繹的教育法を用いた効果的外傷予防教室の検討を続ける。
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