研究課題/領域番号 |
21592877
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
鈴木 みちえ 順天堂大学, 保健看護学部, 教授 (50300166)
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研究分担者 |
岩清水 伴美 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 助教 (60516748)
山村 江美子 聖隷クリストファー大学, 看護学部, 講師 (90340116)
神庭 純子 西武文理大学, 看護学部, 准教授 (20440589)
高橋 浩之 千葉大学, 教育学部, 教授 (20197172)
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キーワード | 特定保健指導 / 自己管理スキル / メタボリックシンドローム / 保健行動 |
研究概要 |
自己管理スキルに着目した特定保健指導プログラムを開発するための基礎資料を得るために、市町村国保における特定保健指導対象者の自己管理スキルとメタボリックシンドローム改善のための保健行動、および健診結果との関連の検討を目的に平成21年度から順次、継続的に質問紙調査を実施した。今年度は、22年度調査対象者と同一対象者への縦断調査を実施し、自己管理スキルと保健行動、健診データの変化との関連を検討した。 2年間健診を継続受診し、かつ保健行動の全項目に回答が得られた528名を対象に分析した結果、 1.自己管理スキルと「食事時間の規則性」「腹八分目の実行」「揚げ物摂取頻度」「調理済みの料理への調味料使用頻度」「食事速度」「食品の栄養成分の確認」「運動習慣」「日常の身体活動」「十分な睡眠」「ストレス解消」「定期的体重測定・血圧測定」に関する保健行動との有意な関連が認められ、いずれの項目も好ましい行動を有する者で自己管理スキル得点が高かった。 2.健診の結果、改善群(体重減少率4%以上)15.5%、やや改善群(減少率0.0~3.9%未満)32.4%、やや悪化群(3.9%未満の増加)44.1%、悪化群(4%以上増加)8.0%であった。これらの中で、昨年度未指導であったに者に注目し、自己管理スキル得点の群間比較したところ悪化群が有意に低値であった。さらに改善群と悪化群それぞれの2年間の検査データの変化を見たところ、改善群では腹囲、血圧、中性脂肪LDL、γ-GTPの値が有意に低下し、HDL値は増加した。悪化群では、反対の傾向が確認された。一方、保健指導を受けた者では各群間で自己管理スキル得点に有意差はなかった。 以上から、自己管理スキル得点が高い群は好ましい保健行動を有し、未指導であっても自己の力で検査データを改善できる可能性があるという示唆を得た。本尺度の保健指導プログラムでの具体的な活用法、さらにメタボリックシンドロームの改善に特化した自己管理力測定尺度の開発等も視野にいれての検討を継続していきたい。
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