研究課題
平成24年度は、脳卒中後に重度の摂食嚥下障害を呈した患者の摂食・嚥下リハビリテーションプログラムを症例報告した。また、2010年8月~2011年9月までに入院した30人の脳卒中患者をリクルートし、嚥下機能と脳卒中後初期のせん妄状態についてActigraphで生活活動量測定し、回復過程の観察を行った。嚥下機能低下と生活活動量に関連を見いだせなかったが、脳卒中後初期のせん妄状態と睡眠および睡眠/覚醒リズムに関連がみられた。対象患者30人のうち、50歳以上でカルテや看護記録から重度意識障害がないせん妄状態有6人のうち、発症翌日からデータがとれた4例と、せん妄状態無23例を比較検討した。脳卒中の状態は、せん妄有では、発症時平均NIHSS7.25から退院時3.0、退院時BarcelIndexは71.25であった。せん妄無では、発症時平均NIHSS2.0から退院時1.0、退院時BarcelIndexは97.3であった。Actigraphによる睡眠時活動量であるが、発症後3日間の平均睡眠時間は、716.2分、睡眠時体動指数は51.8%であり、発症後4日以上退院までのそれは554.7分、44.5%であった。一方せん妄無では、発症後3日間の平均睡眠時間は、597.5分、睡眠時体動指数は45.8%であり、発症後4日以上退院までのそれは595.0分、42.9%であった。せん妄有は発症3日以内に過睡眠と睡眠時体動がみられた。次に睡眠/覚醒サーカディアンリズムをスペクトル解析の最大エントロピー法によって解析した。せん妄有の発症後3日間の睡眠/覚醒周期は、16.8時間であり、4日以上は23.4時間であった。せん妄無の発症後3日間の睡眠/覚醒周期は、22.4時間であり、4日以上は23.5時間であった。脳卒中急性期の発症直後のせん妄状態は、睡眠状態や睡眠/覚醒リズムに関連がみられていた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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健康支援
巻: 15 ページ: 43-48