研究課題/領域番号 |
21592879
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研究機関 | 聖マリア学院大学 |
研究代表者 |
秦野 環 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (00352352)
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研究分担者 |
文珠 紀久野 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70191070)
宮林 郁子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (40294334)
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キーワード | 国内紛争 / 復興 / 女性の健康 / 女性の自立 |
研究概要 |
国内暴動時に暴力を受けた女性たちの実態を把握するために、2007年末に起こった選挙後暴動時被害の大きかったナクル市、ナイロビ市内スラムキベラ地区において188人の女性に対して質問紙調査とフォーカスグループディスカッションを行った。また、地域の主だった10人の人々に対してイン・デプスインタビューを行った。 二つの地域のうち、特にナクル市における被害の状況が大きく、実際にフォーカスグループディスカッションにおいて自ら被害状況を語った者だけでも、性的暴力を受けた者が4人、夫を殺害されたものが16人(16%)、夫の失踪・行方不明が10人(10%)であり、また、紛争終結後、すでに2年を迎えようとしていたが、デブリーフィングセッションを受けたり、だれかに相談にのってもらったような経験が少なく、グループディスカッション甲に悲嘆が表出され、いったん中断せざるを得ない状況も見られた。 これらのことから、紛争終了後、表面的には復興が達成されてはいるが、その復興プロセスから取り残された者がいること、女性が性的暴力を受けた場合に、現実的であり利用可能な対処方法のシステム化を望んでいることがわかった。同時に、男性優位社会ではあるが、実質的には家族を守っているのは女性(母親)であることが多く、女性が自立し、日々の生活を支える収入を得られる手立てを持ちたいとの強い希望が多く語られた。 上記調査の結果を、2010年3月に福島で行われた第17回多文化間精神医学会において発表し、聖マリア学院大学紀要に「研究報告」として投稿中である。
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