研究課題/領域番号 |
21592879
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研究機関 | 聖マリア学院大学 |
研究代表者 |
秦野 環 聖マリア学院大学, 看護学部, 准教授 (00352352)
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研究分担者 |
文珠 紀久野 山梨県立大学, 看護学部, 教授 (70191070)
宮林 郁子 聖マリア学院大学, 看護学部, 教授 (40294334)
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キーワード | 国内紛争 / 復興 / 女性の健康 / 女性の自立 / 「語り」と癒し |
研究概要 |
平成22年度は、調査地域であるケニアへの渡航を2度行った。 一度目は、21年度に行った調査研究に参加くださった女性たちに召集をかけ、第一回目の調査結果報告を行った。その時点で参加を希望した方々には再度フォーカスグループディスカッションを行い、国内暴動時の状況と、第一回目調査時(平成21年12月)から訪問時点(平成22年6月)までの状況をより深く語っていただいた(91名が参加)。また、個別に経験を語ることを了解した女性(8名)には、ひとり約1時間程度の個別インタビューを行った。これらの結果から、本調査に参加した女性たちから、(1)本研究者たちとの信頼関係が構築されつつあることからより深い内容を語った、(2)国内暴動終了後約2年と半年経過しているが、生活状況に大きな改善はみられていない、(3)カウンセリングなど、何らかの外部支援を行ったほうがよいであろう、ということが得られた。 平成22年度第2回目の渡航は、希望者へのカウンセリングと収入向上活動の開催案内を行うことを目的として、平成23年2月に行った。今までと同じ参加者に連絡し、参加希望者には石集をかけた。2日間で合計8グループ89名に対し、本研究者が英語で説明したことをスワヒリ語の通訳を介して女性たちに伝えた。ほぼ全員が、カウンセリングと収入向上活動への参加を希望した。また、前回(平成22年6月)での本研究者たちとのミーティングの後、自主的にグループを立ち上げ、自助活動を開始したグループも見受けられた。彼女たちの活動のきっかけとなった背景には、本研究者たちとの出会いそこで語り合ったこと、お互い同士も暴動時のことやその後の生活の困窮などを語り合い、困難な状況にあるのは自分だけではないという認識が持てたことが大きな原動力になったと語られた。
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