特別支援学校における医療的ケア実施体制の整備として全国に看護師配置が進み、障害児が、学校で担任及び看護師により安全に医療的ケアが実施され始めている。本研究は看護師配置の考えられる(盲・ろう特別支援学校を除く)816校の特別支援学校に対して実態調査をおこない、看護師の配置基準の検討や医療的ケアの実施のためのトレーニングを含め、関係者間の連携・強化を目的とした支援のための包括的な支援プログラムを作成と看護師配置人数の検討を目的に研究を行った。平成21年度は10月に「重症児・者への呼吸・摂食支援」として緒方克也氏(小児歯科医)「障害児の摂食・嚥下の支援」、奥田憲一氏(理学療法士)「呼吸障害に対する考え方と実践」を招聘した。また当大学教員、看護師による「吸引」「注入」の実技研修も行った。参加者は、多職種130名みられた。1月には、看護師配置が予測される特別支援学校816校への質問紙調査では、学校看護師からの回答195件、看護師配置のない学校からの回答237件、合計432件、回収率52。9%であった。分析はSPSSを使用し検定を行った。自由記載については研究協力者の猪狩恵美子氏(福岡教育大学教授)のスーパーバイズを受け分析、センテンスごとに分けKJ法にて分類を行った。(特別ニーズ教育学会に発表)平成22年度は12月5日に当大学においてセミナーを開催した。地域で障害児の診療を行っている福田こどもクリニックの福田氏(小児科医)に障害児の地域医療について、アルカディアキッズセンター看護師の中原氏にレスパイトサービスの現状の講演を行った。また療育センター理学療法士の奥田氏より重症児のポジショニングの実践指導を行った。(参加者140名)23年度は、学校看護師ひとりあたりの毎日の仕事の労作度を計算するために超重症児スコアを使用し試算した。前年度の看護師の意識との検定において、超重症児スコア(仕事量が重度)と看護師の意識には有意差がみられた。超重症児スコア7点以上のケアを行っている看護師に業務の負担大、疲労感が高かった。
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