本研究の目的は、高齢者ケアの実践能力向上に向けて、変革していくチームづくりのための継続教育方法をリフレクションの活用により開発することである。 今年度は、まず先行研究の文献検討を行い、(1)看護・介護におけるリフレクション活用の促進・阻害要因、(2)英国におけるアプリシエイティブ・アプローチによるリフレクティブ・ラーニングについての課題を検討した。 神奈川県内の2施設(老人保健施設および特別養護老人ホーム)の管理者およびスタッフへの面接等による予備調査1の依頼を行ったが、施設の職員状況などから今年度の協力は難しいとされ、継続教育とチームづくりに関する実態調査の実施は、次年度に延期せざるをえなかった。 英国におけるアプリシエイティブ・アプローチによるリフレクティブ・ラーニングについては、既に実践者へのインタビューのみ終了した段階の為データ分析をすすめた。また、イギリスにおける実際のリフレクションを活用した保健医療福祉の従事者を対象としたワークショップの及び教育プログラムの運営について、その現状の調査を行った。実際には、10週間にわたるプログラムのため、プログラムのセッションに参加して調査を行うことは出来なかった。しかし、教育プログラム受講者がその後どのように実践を行っているかについて、実践現場において具体的な活動を調査した。具体的なチーム作りへの効果については、今後も追加調査が必要である。 今年度は、文献検討とイギリスにおける実態調査、およびフィールド調整に時間を費やしたため、データ分析及びフィールドへの介入は次年度の課題となる。
|