本研究の目的は、高齢者ケアの実践能力向上に向けて、変革していくチームづくりのための継続教育方法をリフレクションの活用により開発することである。 今年度は、まず、神奈川県内と東京都内の2施設の管理者およびスタッフから、実践課題には何があり、どのようにとらえているのか、またどのように変化したいのか、ということを中心に聞き取り調査を行った。 その後、第一の介入として、それぞれの施設の課題を特定し、介入として個人およびグループによるリフレクションによるセッションを開始し、定期的・継続的に行った。この介入は、臨床の場のスタッフの参加を得て共に活動し、何が起きているのかを観察し、探究・解釈を進めている。第一の施設では、10ヶ月の介入の後、研究参加者の病棟において、対話を重要視した活動が始まり看護を言葉で表現する機会が増えるなどの、変化が見られてきたととらえられた。そこで、平成23年度は、新たなプロセスとして また、第二の介入として平成23年9月~10月にアプリシエイティブ・アプローチを活用したリフレクションのワークショップを開催し、ワークショップ後は記述式アンケート調査と分析を行った。ワークショップは、異なる参加者を対象に2回開催し、参加者はそれぞれ23名と24名であった。ワークショップの内容には参加者から高評価が得られたが、実際に自分たちがチーム作りのために活用していくための課題についての意見も多く得られた。 平成23年度は、介入の推進者となっている研究参加者のスタッフへのインタビューを行い、介入による変化をどのようにとらえているのか、またこれまでのプロセスにおいて実践を変化させるためにどのように参加してきたかを表現してもらい、インタビューデータを分析して計画修正を行い、第二のプロセスとしての介入を進める予定である。
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