本研究の目的は、高齢者ケアの実践能力向上に向けて、変革していくチームづくりのための継続教育方法をリフレクションの活用により開発することである。 最終年度となる本年度は、到達目標(仮説)に向けてワークショップを開催して個人およびチームにおける変化(成果)を評価(・仮説の検証)・リフレクションを行った。ケアの質の向上のために実践経験についての看護師のリフレクションと共有によるエンパワーメントを目的として、リフレクションの対話セッションの経験についてインタビュー調査を行った。インタビューデータを質的機能的に分析した結果、病院における高齢者のニーズへの看護と看護実践上の問題を共有・理解すること、リフレクションの過程を通してエンパワーメントされていること感じていた。 また看護師は、リフレクションの過程で発問のスキルが向上するなど、そのことがキャリア発達に有益であると確信していた。さらに、チームによる実践内容の共有機会や実践結果の評価機会がリフレクションにより増えるなど、実践の質の向上を示唆す条項が明らかになった。 これらのことから、リフレクションを活用したアプローチおよび継続教育方法が、より高齢者のニーズを満たして看護チームを発展させる可能性の推察が得られた。 また、英国の大学に附属する高齢者研究センターが主催する国際会議において本研究成果の発表を行った。諸外国の研究者とのディスカッションにより、研究成果のまとめ及び今後の発展に向けて貴重な視点をもらう機会となった。
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