平成22年度は21年度に収集したデータを分析し、病床環境および対人環境に対する認知についてまとめた。その内容は、2施設21名の高齢者(63~85歳、男性8名、女性13名、うちせん妄発症者4名)を対象とし、面接によって物理的環境に対する認知と対人に対する認知を抽出した。物理的環境では「気になる」「気にならない」が対極の認知としてあがり、「気になる」と語る背景には「痛み」「病気や治療の心配」「入院の緊急度」「ルートの数」などがあがった。また、対人環境では「安心できる」「信頼できる」など肯定的な認知が軸となって、「訪室頻度」「距離感の近さ」「看護技術の安定性」「馴染みのある言葉」などが反映されていたことが分かった。 この結果をもとに発症リスクのコントロールに向け、質問紙の検討を行い、試案を作成した。これを平成23年3月から入院中の高齢者にプレテストをする予定だったが、震災のため次年度に開始することとした。
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