平成18年から平成20年にかけて行った我々の研究成果をもとに作成した、脳血管障害者と家族に対する支援プログラム(試案)について、介入研究の準備として、支援プログラム(試案)の詳細について検討を行った。具体的には以下のとおりである。 1.支援プログラム(試案)について、在宅の脳血管障害者の支援に関わる医師、理学療法士、作業療法士、訪問看護師、保健師等の意見聴取を行った。その結果、介入対象者の明確化、介入のタイミング、個別支援と集団支援を組み合わせ方、プログラムの連続性、実施者の対応技術の均一化を図るための研修の実施、ガイドブック記載内容のエビデンスの碓認などについて検討を行った。 また、ガイドブックに対する保健師の意見を聴取した。 「字が大きく読みやすい、ボリュームも適当」「記録をつけるという発想がよい」「再発作の予防のために参考にしたい」「若年者の支援に活用したい」などの意見が得られた。 2.体を動かす心地よさを感じることをねらいとするストレッチ体操については、プレテスト版としてDVDを作成し、理学療法士、作業療法士、医師等の意見を参考に実行可能性、安全性の面から検討を行った。 3.N県内の全77市町村の地域保健活動担当者に対して、脳血管障害者に対する教育的支援の実施状況について調べたところ、25市町村から回答があり、「実施している」という回答は3か所であつた。 特に若年の場合は、再発により介護度が高くなるという状況が起きており、介護予防のための支援方法として期待したいという意見が得られた。
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