研究課題
研究目的:グループホームにおける終末期ケア提供の現状と課題をふまえ、それぞれの施設が終末期ケア体制をどのように整えているのかを明らかにする。研究内容:前年度実施した全国のグループホームへの質問紙調査結果より、終末期ケアの取り組み状況と課題、施設の終末期ケアの体制の違いを検討した。また、さまざまな背景を持つ施設が、終末期における入居者への医療とケアの提供のためにどのように看護体制と終末期ケア体制を整えていったのかを把握するためのインタビューを2施設に対して行った。研究成果:1174施設(回収率24.0%)から回答を得られた(H21年度実施調査)。終末期ケアを経験している施設は607施設(51.7%)であり、入居者の平均要介護度は終末期ケア経験のない施設よりも重度で(P<0.001)、終末期ケア指針の保持、看取り介護加算の取得において有意に高かった(P<0.001)。看護師の雇用のある487施設(41.5%)は、そうでない施設に比較して終末期ケア経験の有無、地域医療連携加算の取得、看取り介護加算取得、終末期ケア指針の策定で有意に実施割合が高く、終末期ケアの課題に・困難の程度は「医療の知識・技術が不足」、「看護・介護の連携が困難」、「終末期ケア指針の策定が困難」の項目で有意に低かった。このことから、グループホームでの終末期ケア実施には、それぞれの施設の状況を熟知している看護師の存在が重要であると示唆された。2施設への面接調査においても、施設の利用者の状況を熟知している看護師の雇用は終末期ケアの体制をとるうえで、必要であり望ましいとしながらも、雇用が困難であることなどが語られていた。
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日本看護福祉学会誌
巻: VOL.16, NO.2 ページ: 1-13