研究目的:グループホームにおける終末期ケア提供の現状と課題をふまえ、終末期ケア提供のための医療とその質を確保するための医療連携の実際を明らかにする。 研究内容:平成21年度に実施した調査結果をもとに、看護師雇用の有無、看取り経験の有無別にみた終末期ケア体制の違いを検討した。さらに、経営母体による終末期ケアの取り組み状況の違いの検討を行った。これら結果をもとに、同意の得られた全国9か所のグループホームに対して、終末期ケア提供に必要な医療とその質の確保にむけて、どのように医療連携を行ったかについてたずねる面接調査を行った。 研究成果:9施設に対して調査を行った。施設の経営母体はそれぞれ有限会社3施設、医療法人2施設、NPO法人2施設社会福祉法人1施設、株式会社1施設、であった。看護師雇用施設は4施設で看護師の雇用のない施設では訪問看護ステーションとの連携により看護師の確保をしていた。また、終末期ケアに必要な医療は、協力病院・訪問看護ステーションとそれぞれに連携をとり提供していた。それぞれの施設とも、円滑な連携には、医療機関に対する的確な情報提供とそのためのアセスメントが必要であると認識していた。 施設では職員の研修会や訪問看護ステーションの看護師等を活用し、職員の能力向上を図っていた。 今後の発展と課題:終末期ケア提供に必要な医療連携において施設と医療機関の間で看護が実際にどのように機能しているか、医療連携に必要な日常生活援助場面における職員のアセスメント力向上のために看護師が実施している事等、医療連携に必要な看護師の行動の詳細を明らかにしていく必要がある。
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