研究課題/領域番号 |
21592911
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
深田 順子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60238441)
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研究分担者 |
鎌倉 やよい 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (00177560)
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
米田 雅彦 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (80201086)
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キーワード | 高齢者 / 口腔機能 / プログラム開発 / セルフメイド / 誤嚥性肺炎 / 機能的口腔ケア / 器質的口腔ケ / 肺炎球菌 |
研究概要 |
【目的】高齢者が運動メニューを選択するセルフ・メイド口腔機能向上プログラムを開発し、その効果を検証した。 【方法】平成21年度の結果を基に修正したプログラムには機能的口腔ケアと器質的口腔ケアがある。シニアクラブ員(1092名)に依頼し、研究参加の同意が得られ高齢者20名に対し2ヶ月の実施を求めた。プログラムの導入前、導入1ヶ月後、導入2ヶ月後、終了1ヶ月後の合計4回、客観的な指標等を用いて効果を測定した。 【結果】途中で参加を中止した3名を除く17名を分析対象とした。男性13名、女性4名、年齢は平均75.5±4.7歳、歯の数は平均24.1±5.0本であった。 1. 機能的口腔ケアの実施と効果:2ヶ月間1日2回以上実施した人数は、舌の運動では5名(29.4%)、頬の運動8名(47.1%)、呼吸運動4名(23.5%)であった。実施群と非実施群では性、年齢、歯の数に有意差はなかった。各運動の効果について反復測定による二元配置(実施の有無、測定時期)分散分析の結果、交互作用はなく、実施群と非実施群、5秒間のタ・カ・パ発音回数、最大吸気保持時間及び最大呼気持続時間に有意な差は認められなかった。 2. 器質的口腔ケアの実施と効果:磨き残しのセルフチェックを実施した人数は11名(64.7%)であった。実施群と非実施群では性、年齢、歯の数に有意差はなかった。効果について反復測定による二元配置分散分析の結果、交互作用はなく、実施群と非実施群では有意差はなかった。導入後に磨き残しの程度が有意に減少したが、口臭、唾液中のsIgA、ラクトフェリン、上皮成長因子EGF及び常在細菌量では有意差が認められなかった。介入3ヶ月中の肺炎球菌の保有率は、実施群では54.5%に対し、非実施群100%であった。 3. 全体の効果として反復唾液嚥下テストは、1回目の嚥下にかかる時間と、3回の嚥下にかかる時間が導入2ヶ月後では、介入前と比較して有意に短縮した。 【考察】プログラムによって磨き残しの程度、嚥下機能に効果があることが示唆された。また器質的口腔ケアと肺炎球菌の保有率との関係を検討することが誤嚥性肺炎予防の鍵となると考えられた。
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