研究課題/領域番号 |
21592919
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
武用 百子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (00290487)
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研究分担者 |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (60331807)
鈴木 幸子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (60285319)
志波 充 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (50178894)
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キーワード | フライトナース / ストレス / 出来事インパクト尺度 / レジリエンス / GHQ-28 |
研究概要 |
【目的】本研究は、フライトナースが体験するストレスが及ぼす心理的影響について、3つの尺度の調査票を用いて検討し、またフライトナースと救急看護師の職務の体験をどのように感じているのかを質的に分析した。 【方法】対象:同意の得られた、国内のドクターヘリを持つ施設のフライトナースと救急外来看護師(救急看護師)102人。調査方法:出来事インパクト尺度と、精神健康調査票28項目版、もとの精神的健康状態に立ち直ろうとする力を査定するS-H式レジリエンス検査を同意の得られた5施設に郵送し、個人ごとに郵送で回収した。また同意の得られたフライトナース7名に対し、半構造的面接を行った。 【結果】2群間の各尺度の平均値の差について検定を行った結果、IES-Rはフライトナースは11.1±9.8、救急看護師は17.2±20.1であり有意な差はなく、GHQ-28も両群間に有意な差は認められなかった。レジリエンスでは、フライトナースは107.8±10.4、救急看護師は100.3±13.7でフライトナースの方が点数は有意に高かった(p<0.05)。また、フライトナースがストレスと感じる内容には、【フライトの準備に伴う負担】、【フライトによる体調の変化】、【フライトナースとしての不十分な経験】、【現場の状況の予測がつかないことによる不安】、【頼る人が少ないことによる責任の重さ】、【助けられなかったことによる無力感・罪悪感】、【小児の対象】の7つのカテゴリーが抽出された。 【考察】IES-Rではフライトナースの方が有意差はないが低い傾向にある。これはレジリエンス検査においてフライトナースの方が有意に高いことから、レジリエンスの高いフライトナースは心的ストレスを受けにくいことが示唆された。フライトナースは、前日より身体面及び心理面に関する準備を行い、また関わった患者に感情移入しないようにすることで、職務中に体験するストレスによる心理的影響を受けにくいのではないかと考えられた。
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