研究課題/領域番号 |
21592919
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
武用 百子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (00290487)
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研究分担者 |
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 講師 (60331807)
鈴木 幸子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (60285319)
志波 充 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (50178894)
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キーワード | フライトナース / ストレス / 出来事インパクト尺度 / レジリエンス / GHQ-28 |
研究概要 |
フライトナースの精神の健康状態とレジリエンスについて、3つの尺度の調査票を用いて明らかにした結果(回収された調査票は66人であった(回収率54.1%))、2群間の各尺度についてt検定を行った結果、出来事インパクト尺度と精神の健康調査票について、両群間で有意差は認められなかった。レジリエンスでは、フライトナースは107.4±10.6、救急看護師は100.3±13.8でフライトナースの方が有意に高かった(p<0.05)。【考察】出来事インパクト尺度ではフライトナースの方が低い傾向にあった。これはレジリエンスにおいてフライトナースの方が有意に高いことから、レジリエンスの高いフライトナースは心的ストレスを受けにくいが示唆された。 また、研究対象者8名に対して、半構造的面接を行い、フライトナースと救急看護師が職務をする中で体験するストレスの内容の違いを明らかにした結果、ストレスは、【トラウマ性のストレス因子】【ストレスの促進因子】【ストレス反応】で構成されていた。 フライトナースの【トラウマ性のストレス因子】には、(1)予測がつかない現場での活動、(2)初めて対応する事件や事故などがあり、【ストレスの促進因子】には、(1)フライトの準備に伴う負担、(2)フライトによる体調の変化、(3)フライトナースとしての不十分な経験など、【ストレス反応】には、(1)現場の状況の予測がつかないことによる不安、(2)頼る人が少ないことによる責任の重さ、(3)助けられなかったことによる無力感・罪悪感、が抽出された。一方救急看護師の【トラウマ性のストレス因子】には、(1)暴力行為を受けること、(2)患者の状態が悪化すること、(3)対象が亡くなることなど、【ストレスの促進因子】には、(1)患者の対応までに心の準備をする時間がないこと、(2)救急看護師としての不十分な経験があり、【ストレス反応】には、(1)恐怖感、(2)助けられなかったことによる無力感・罪悪感、(3)無力感・罪悪感に対する打ち消しが抽出された。そのためフライトナースの【トラウマ性のストレス因子】は、不意をついておこるために予防することが困難であるという特徴と強烈さという特徴をもつと考えられた。
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