研究課題
本研究の目的は、「島嶼から学ぶ」島嶼看護学教育の学士課程への導入促進に資することであった。平成21年度は全国の看護系大学への書面調査、平成22年度は島嶼看護学教育に特徴ある大学への訪問面接調査、調査結果に基づき専門家会議を開催した。平成23年度は、島嶼看護学教育の影響・効果と課題で看護学士課程における島嶼看護学教育への提言をまとめた。【1.島嶼看護学教育の影響・効果】1)学生:《主体的参加と学習の満足感》《島嶼の特徴の体感》《住民を理解し住民の強さの気づき》《島嶼看護の魅力と専門性の理解》などであった。2)教員:《教育力・看護力の陶冶》《島嶼実習の価値の理解》《島嶼への関心の探求》《島嶼への愛着》《大学の使命の意識》などであった。3)地域:《大学との協働による看護実践の向上》《自己の看護観の捉え直し》《地域、地域住民に対する新たな発見》などであった。つまり、島嶼看護学教育の影響・効果として、"島嶼ょでの理解の深まり""島嶼ょ看護の魅力と理解""学習力・教育力の向上""看護実践力・地域力への貢献"が明らかになった。【2.島嶼看護学教育の推進に向けた課題】《学生や教員のお金と時間の確保》等の現実的な課題の他に、《島嶼での学びの意義》が曖昧であり、そのために《カリキュラムの位置づけ》に苦慮しているが、《島嶼看護学の確立》への継続的努力の必要性が挙がった。【3.看護学士課程における島嶼看護学教育への提言】島嶼看護学教育の体系化に向けて、島嶼看護の実践と研究に必要な教育内容を探求確定し、看護学基礎教育としての学士課程、看護学の高度実践者としての博士前期課程、そして、看護学の教育者・研究者を育成する博士後期課程のそれぞれの教育プログラム構築が必要である。
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