研究課題/領域番号 |
21592924
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
井上 映子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (80194059)
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研究分担者 |
高木 初子 自治医科大学, 看護学部, 准教授 (30279913)
長井 栄子 自治医科大学, 看護学部, 助教 (10352684)
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キーワード | 発話 / 摂食・嚥下機能 / 介護保険施設入所高齢者 / 看護学 |
研究概要 |
本研究は、介護保険施設入所高齢者の「発話」と摂食・嚥下機能との関連を実証することを目的としている。 1. 介護老人保健施設入居高齢者に対する嚥下機能の簡易測定方法の検討 目的:嚥下機能を評価するための方法を見出すために、従来スクリーニング法として用いられていた反復唾液嚥下テスト(RSST)の欠点を補い、同等の信頼性を確保できる簡易測定法を検討した。方法:摂取・嚥下機能障害のない要介護高齢者5名を対象に、舌上水分量と頬粘膜水分量、RSST3回目積算時間(RSST3回目)、口唇閉鎖力、ピークフローメーター、オーラルディアドコキネシスの「/Pa/」、「/Ta/」、「/Ka/」、各々を8~10回測定した。各検査の変動係数、および検査問の関連をPearsonの積率相関係数で算出し、さらにRSST3回目を従属変数に、他の検査を独立変数に、ステップワイズ法による重回帰分析を行った。結果:RSST3回目の変動係数(28%)が最も大きく、RSST3回目は、ピークフロー値、口唇閉鎖力および頬粘膜水分量と有意な負の相関があった。重回帰分析の結果、RSST3回目=43.139-0.025^(**)×ピークフロー値-1.96^(**)×頬粘膜水分量+1.088^*×舌上水分量(決定係数=0.362)の予測式が算出された。結論:ピークフロー値はRSST3回目と最も関連する検査であったが、頬粘膜水分量と舌上水分量を予測モデルに加えると、RSST3回目をよりよく説明できた。したがって、ピークフロー値、頬粘膜水分量、舌上水分量の検査を用いることで、RSST3回目積算時間の検査に代用が可能であると考える。 2. 単音節分解を用いた介護老人保健施設入居高齢者の「発話」分析 目的:「発話」と嚥下機能の関連を実証するための基礎資料を得るため、3名の被験者の通常の「発話」と能動的な「発話」を促進させた場合の構音点別でみた単音節の出現の特徴を明らかにした。結果:3名に共通して、能動的な「発話」を促進させると「唇」「舌尖、歯茎」を構音点とする子音の出現率が増加し、母音出現率が減少した。
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