研究概要 |
平成21年度は,『グループホームにおける終末期ケアでの医療・看護ニーズの把握と訪問看護等の連携の実態調査』の準備として下記の項目を実施した. 1.文献検索を行い,最新の認知症高齢者の終末期ケアならびに連携システムに関する情報収集を行った. 2.国内外の連携を図っているモデル施設(認知症高齢者グループホームならびに訪問看護ステーション)を国内は滋賀県1か所,海外はスウェーデン王国4か所の視察ならびに聞き取り調査を行った.当初は豪州(ビクトリア州メルボルン)を予定していたが,海外の衛生情勢(新型インフルエンザ)により渡航先を変更した.国内外のモデル施設が介護職と看護職と効率的に連携を図るには,職種間の役割の明確化,教育体制の確立ならび行政を含めた連携体制の構築が不可欠であることが明らかになった. 3.「認知症高齢者グループホームの終末期ケアに関する看護師・訪問看護との連携」の実態と課題を把握するための予備調査として,大阪府と兵庫県の認知症高齢者グループホームならびに訪問看護ステーション(合計数11施設,合計人数49人)を対象に,8グループを作成し,フォーカスグループ・インタビューを実施し,質問紙を作成した.課題として,(1)介護職と看護職の役割の認識不足,(2)研修会や事例検討会での情報交換の必要性,(3)介護職は臨終期の予測や判断が難しく,恐怖や不安のなかで終末期ケアをしている,(4)死生観の相違,(5)ケア体制が未確立であるということが明らかになった.そして,この結果より全国調査用の質問紙を作成した.
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