研究概要 |
1.研究目的:平成23年度の研究目的は,データの分析行い,看護連携システム案の有効性を検討することである.そして,看護連携システム案を修正し,看護連携システムを開発した. 2.研究実施計画に基ずく研究成果: 1)対象の属性:対象98人のうち,女性74人(75.5%),男性24人(24.5%)であった」平均年齢は,44.1歳(±11.41歳)であり,経験年数は平均7.7年(±9.35年)であった.有資格(複数:回答)としては,介護士(ヘルパー)が110件,次いで介護福祉±89件,看護師は37件であった. 2)知識の向上:知識確認表を用いて,研修会前・研修会直後・3か月後に回答してもらった.各項目の答数の推移をCochranQ検定で比較したところ,すべての項目において有意な上昇を認めた.また,10項目の合計得点の推移はFriedman検定により有意な変化を示していた(P<0.001).研修会直後と研修会3か月後の中央値の差は認めないことから,知識の習得状況は研修会3か月後までは保持されていた. (3)死に対する「恐怖・不安」の認識の変化:死生観尺度の下位項目の合計得点の平均値の比較では,「恐怖・不安(P=0.02)」と「目的(P=0.03)」に関して,有意に差を認めた(P<0.05).また,集合研修前後の死生観の比較では,「恐怖・不安」において有意に差を認めており,終末期ケア研修会の実施は,グループホーム職員の終末期ケアに対する不安や恐怖を緩和することにつながっていたことが明らかになった. 4)終末期ケアにおける家族の満足度:家族は,常時付添えないときなど[記録を確認することを楽しみ]にしており,死を迎えるまでの[苦痛がいつまで続くかわからない状態を見ることが辛い]と感じていた.最期まで入浴介助や食事に工夫をしてもらったことなど職員の配慮に満足し、家族の希望を伝えることができたことや本人や自分も最期までよくやったと[グループホームでの看取りに満足]していた. 上記の結果から,看護連携システム案を修正し,研究成果物として報告書を作成した.
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