研究概要 |
1.目的 糖尿病を併せ持つ精神疾患患者の糖尿病自己管理に向けたエンパワメントと,スタッフのコーチングスキルを明らかにすることを目的としている。 2.方法 精神科病院に入院中もしくはデイケア通所中の糖尿病を併せ持つ精神疾患患者14名とスタッフ10名を対象とし,患者参画型糖尿病教室を展開する介入研究 3.活動内容 A精神科病院において6名の参加者を対象に1回/月,B精神科デイケアにおいて8名の参加者を対象に2回/月の患者参画型糖尿病教室を展開している。毎回,患者の希望により活動テーマを決め,学習会やディスカッションを実施している。時々ディスカッションの中で振り返りを行い,各自のできるようになったことや変化,課題などを確認している。 4.意義・重要性 患者参画型糖尿病教室の様子の参加観察記録とディスカッションの記録をデータとして,ベレルソンの内容分析法を用いて,参加者のエンパワメントを明らかにすることができた。 また,関わっているスタッフにインタビューし,その内容から,スタッフの意識の変化や,エンパワメントを高めるためのコーチングスキルを抽出することができている。 これを明らかにすることは,精神障害者の糖尿病自己管理だけでなく,他の疾病自己管理に向けたエンパワメントと,それを引き出すコーチングスキルとして応用範囲が広いと考える。
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