研究課題/領域番号 |
21600003
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
平山 正昭 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (30283435)
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研究分担者 |
渡邊 宏久 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10378177)
中村 友彦 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00437039)
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
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キーワード | パーキンソン病 / 事象関連電位 / 痛み閾値 / 嗅覚検査 / 体性感覚誘発電位 / 認知検査 |
研究概要 |
【目的】パーキンソン病(PD)では痛みを含む様々な体性感覚症状を呈することが知られている。PDの感覚症状を他覚的に捉えることは困難なことが多く、NCS等の検査でも異常を認めない。今回我々はPDにおける痛覚及び触覚認知に対し、電気生理学的手法で解析した。【対象・方法】25名のPD群(67±6.4歳)と9名のControl群(58±13.9歳)に対し、Aδ線維を特異的に刺激する表皮内電極を顔面に設置して痛み関連脳電位(Pain related SEP : PREP)を導出。また、正中神経遠位側を電気刺激してSEPの後期成分である皮質SEP(Cortical SE : CSEP)を導出。どちらも記録電極はCzに、両耳朶連結電極を基準電極とし、道出きれるN1、P1電位の振幅の和を比較検討した。【結果、考察】PREP、CSEP共にPD群ではControl群に比べ有意に振幅の低下を認めた。(P<0.01)痛覚及び触覚認知に関与する脳部位はほぼ一致しでおり、PREPやCSEPにおけるN1、P1電位は扁桃体、海馬を含む内側側頭葉における脳電位を表すとされている。病理学的には、PDでは同部位に多数のLewy小体が確認されている。今回の結果はPDにおける同部位の病理学的異常を反映した結果と考えちれ、またPDの感覚症状が同部位の異常に起因する可能性が示唆された。上記のような結果を得て2010年度の神経学会総会に発表予定です。
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