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2010 年度 実績報告書

侵害的温度刺激による侵害受容器興奮機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 21600004
研究機関名古屋大学

研究代表者

片野坂 公明  名古屋大学, 環境医学研究所, 助教 (50335006)

研究分担者 片野坂 友紀  岡山大学, 医歯学総合研究科, 助教 (60432639)
キーワード痛み / 温度 / 感覚 / 侵害受容器 / 受容体 / TRPチャネル / 冷痛覚過敏 / TRPV2
研究概要

痛み受容に関与する侵害受容器において、極端な高温や低温刺激の受容に働くタンパク質や受容メカニズムを明らかにする目的で、本年度以下の実験を実施した。
1, 侵害的低温刺激に関しては、アジュバンド単関節炎モデルラットで、炎症持続期に冷痛覚過敏が見られることを昨年度示した。今回は、この持続性炎症期のラット脊髄神経節細胞において、冷感受性が指摘されているTRPM8とTRPA1イオンチャネルの発現量の変化をRT-PCR法により調べた。両者共に明瞭な変化は観察されず、この冷痛覚過敏は他の機構や他の分子を介している可能性が考えられた。
2, 生体の侵害的高温受容に関しては、高温感受性(約50℃)が指摘されているTRPV2の関与を検討した。既知のTRP阻害剤の中で、TRPV2の熱応答に特異性の高いものを検索するために、異所的にTRPV2を発現させたHEK293細胞において約50℃の高温刺激による活性化電流を阻害する物質を調べたところ、ガドリニウムイオンの抑制効果が最も高かった。そこで、ガドリニウムイオンが、ラット脊髄神経節の初代培養神経細胞の高温応答を阻害するかどうかを検討したところ、やや弱いものの抑制効果が確認され、ガドリニウム感受性の機構の関与が示唆された。しかしながら、本実験で高温感受性が確認できた培養神経節細胞について、TRPV2タンパク質の発現を免疫細胞化学的に調べたところ、その多くが抗TRPV2抗体陰性であり、高温応答とTRPV2タンパク質発現との対応が見られなかった。このように、少なくとも培養神経節細胞の高温応答においては、TRPV2以外に別のタンパク質が関わっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 繰り返し寒冷ストレスによる機械痛覚過敏における性差2010

    • 著者名/発表者名
      那須輝顕,片野坂公明,水村和枝
    • 学会等名
      第49回日本生気象学会大会
    • 発表場所
      文化女子大学(東京)
    • 年月日
      2010-11-05
  • [学会発表] Sex difference of repeated cold stress(RCS)-induced cutaneous and muscular mechanical hyperalgesia in rats.2010

    • 著者名/発表者名
      NASU Teruaki, KATANOSAKA, Kimiaki, MIZUMURA Kazue
    • 学会等名
      第87回日本生理学会大会
    • 発表場所
      盛岡市民文化ホール(盛岡)
    • 年月日
      2010-05-20

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公開日: 2012-07-19  

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