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2011 年度 実績報告書

神経因性疼痛維持の神経細胞-前駆細胞-グリアネットワークの解析と一酸化窒素の役割

研究課題

研究課題/領域番号 21600015
研究機関関西医科大学

研究代表者

松村 伸治  関西医科大学, 医学部, 講師 (70276393)

研究分担者 伊藤 誠二  関西医科大学, 医学部, 教授 (80201325)
キーワード神経障害性疼痛 / 脊髄 / 神経可塑性 / 前駆細胞 / グリア / 5-bromodeoxyuridine / プリン作動性 / マウス
研究概要

神経障害性疼痛は神経を含む組織損傷後、傷が治癒した後にも長期にわたり持続する激痛である。その発生機序に大きな役割を担うと考えられる脊髄後角内の神経可塑性を伴う感覚情報伝達系の機能異常に焦点を絞り研究を遂行している。神経障害性疼痛維持機構にはニューロンだけでなくミクログリアも関与するが、神経前駆細胞が関与しているかは不明であった。nestinは幼若ニューロンに発現するクラスIVの中間径フィラメントタンパク質である。そのnestinは脊髄損傷や脳障害で増加する。神経損傷に対する神経前駆細胞の応答を明らかにするために、その指標としてnestinに注目し、nestinのプロモーターによりGFP(pNestin-GFP)が発現するトランスジェニックマウスを用い、L5脊髄神経切断による神経因性疼痛モデルを作製して調べた。神経因性疼痛モデルの脊髄後角においても、Nestinが患側に発現し、細胞増殖の指標である5-bromodeoxyuridine処置でも患側に多く陽性細胞が存在する事を明らかにした。nestinがアストログリアの指標のGFAPやニューロンの指標のNeuNと共局在する細胞も発見した。プリン作動性P2X受容体の作動薬であるα,β-MeATPにより脊髄後角のnestin発現細胞の細胞内カルシウム濃度上昇が惹起される事を確認した。また分散培養した後根神経節ニューロンにATPを投与するとnestin陽性ニューロンが増加し、末梢神経損傷による脊髄後角での幼弱ニューロンマーカーのnestin発現増加にはATPが関与している可能性を明らかにした。pNestin-GFPトランスジェニックマウスを用いたこれらの結果は、nestin陽性細胞は末梢神経損傷に応答して脊髄後角で増殖し、ATPがnestinの発現と神経損傷後の神経前駆細胞の活性化に関与している事を示唆する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A novel role of prostaglandin E2 in neuropathic pain : blockade of microglial migration in the spinal cord2011

    • 著者名/発表者名
      Kunori S, Matsumura S, Okuda-Ashitaka E, Katano T, Audoly LP, Urade Y, Ito S
    • 雑誌名

      Glia

      巻: 59 ページ: 208-218

    • DOI

      DOI10.1002/glia.21090

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 痛みの可塑性と慢性化2011

    • 著者名/発表者名
      伊藤誠二、下條正仁、松村伸治
    • 雑誌名

      脊椎脊髄ジャーナル

      巻: 24 ページ: 341-347

  • [学会発表] Blockade of microglial migration in the spinal cord by prostaglandin E2 via EP22011

    • 著者名/発表者名
      Ito, S., Kunori, S., Matsumura, S., Katano, T., Urade, Y. and Okuda-Ashitaka, E
    • 学会等名
      The 41th Annual Meeting of the Society for Neuroscience
    • 発表場所
      Washington
    • 年月日
      20111112-16

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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