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2010 年度 実績報告書

麻薬拮抗性鎮痛薬の作用機序の網羅的解析

研究課題

研究課題/領域番号 21600018
研究機関安田女子大学

研究代表者

佐藤 公道  安田女子大学, 薬学部, 教授 (80025709)

研究分担者 井手 聡一郎  北海道大学, 大学院・薬学研究院, 助教 (30389118)
キーワードオピオイド / 鎮痛 / MOP-KOマウス / 麻薬拮抗性鎮痛薬 / トラマドール / ブプレノルフィン
研究概要

"痛み"自体は、重要な生体シグナルであるが、過剰な痛みや慢性的疼痛は、現在では治療すべき疾患の一つとして認識されはじめている。一方で、その治療において非常に重要な役割を果たしているオピオイド鎮痛薬、特にオピオイド拮抗性鎮痛薬に関しては、未だその作用機序に不明瞭な点が多く存在する。そこで、本研究では、種々のオピオイド鎮痛薬の抗侵害受容作用特性と分子機構を解明することを目的とし、本邦で臨床使用されているオピオイド拮抗性鎮痛薬に焦点を絞り、解析を行っている。本年度は、ブプレノルフィン並びにトラマドールを中心として解析を行い、機械的な痛み刺激に対する抗侵害受容作用の評価を、野生型並びにμオピオイド受容体遺伝子欠損マウスを用いて行った。痛み刺激として、後肢に圧刺激を段階的に負荷していくRandall-selitto法を用いて検討したところ、野生型マウスにおいてブプレノルフィン並びにトラマドールは共に、機械的侵害刺激に対しても強い鎮痛作用を示していたが、μオピオイド受容体遺伝子のホモ欠損マウスを用いた解析においては、ブプレノルフィンの機械的侵害刺激に対する鎮痛作用は完全に消失していた。一方、トラマドールの鎮痛作用は、野生型と比較して減弱は見られたものの、依然として有意な鎮痛作用が確認された。これらの結果は、ブプレノルフィンの抗機械的侵害受容作用の発現にはμオピオイドが主要な役割を果たしているが、トラマドールの抗機械的侵害受容作用にはμオピオイド受容体を介した鎮痛機構以外のメカニズムが、その効果の発現の一部を担っていることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Combination of Cell Culture Assays and Knockout Mouse Analyses for the Study of Opioid Partial Agonism in "Analgesia Methods and Protocols"2010

    • 著者名/発表者名
      井手聡一郎
    • 雑誌名

      Methods Mol.Biol.

      巻: 617 ページ: 363-374

  • [雑誌論文] (-)-Pentazocine induces visceral chemical antinociception, but not thermal, mechanical, or somatic chemical antinociception, in mu-opioid receptor knockout mice.

    • 著者名/発表者名
      井手聡一郎
    • 雑誌名

      Mol.Pain

      巻: (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] 痛み・情動におけるμオピオイド受容体の役割2010

    • 著者名/発表者名
      井手聡一郎
    • 学会等名
      第20回日本臨床精神神経薬理学会、第40回日本神経精神薬理学会合同年会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2010-09-15

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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