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2011 年度 実績報告書

ナトリウムチャネルのE3領域をターゲットにしたペプチド系鎮痛剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 21600021
研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

稲垣 英利  独立行政法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (90344126)

キーワード組換え体ペプチド / BIAcore / ナトリウムチャネル
研究概要

「ナトリウムチャネルのE3領域をターゲットにしたペプチド系鎮痛剤の開発」は、ナトリウムチャネル阻害ペプチドSKTXの誘導体ライブラリーを、哺乳類ナトリウムチャネル1.3(Nav1.3)の3番目の細胞外領域(E3領域)への結合を指標としてスクリーニングし、Nav1.3の活性を特異的に阻害するSKTXペプチド誘導体を開発することを目的とするものである。
本研究は、(1)ナトリウムチャネルE3領域の発現及び精製(2)SKTXの誘導体ライブラリーの作製(3)Nav1.2及びNav1.3を発現するHEK293細胞の樹立(4)誘導体ライブラリーからのナトリウムチャネル結合ペプチドの選択(5)選択されたSKTXの誘導体の電気生理学的な方法による活性の検討、(6)実験動物を使用した生理活性の検討、以上の6段階に分けて行う予定だった。
平成23年度は、SKTXの誘導体ライブラリーより選択した5種類のクローンがコードするペプチドを組換え体として発現させた。さらに組換えペプチドのナトリウムチャネルE3領域への結合活性を測定した。
(組換え体ペプチドの発現)5種類のペプチドを6×HisとGSTとの融合ペプチドとして、可溶化した状態で大腸菌体内に発現させた。しかしながら、組換え体は大腸菌体内で可溶化した状態では分解したため、インクルージョン・ボディとして発現させ、リフォールディング操作を行った。インクルージョンボディーの可溶化及びリフォールディングには、アルカリ性緩衝液を用いる方法と6M尿素を用いる方法を用いた。後者の方法はペプチドがリフォールディングせず、凝集したため、前者の方法を用いて組換え体ペプチドをリフォールディングさせ、精製した。
(結合活性の測定)ナトリウムチャネルE3領域を用いたプルダウンアッセイの予備的な実験結果より、5種類のペプチドの中でも、我々がAタイプ、Bタイプと名付けたものが、結合活性が強いと考えられた。そこで、この2種類のペプチドに絞り込んでBIAcoreによる解析を行った。
BIAcoreを用いて組換え体ペプチドのナトリウムチャネルE3領域に対する結合活性を測定したところ、マイクロモルオーダーのペプチドを加えた場合には、センサーグラムの乱れはあるものの、AタイプとBタイプともに、ナトリウムチャネルE3領域へ結合することが示された。マイクロモルオーダーの結合定数は、それほど相互作用として強いものではない。BIAcoreの測定条件等に問題点がある可能性もあり、今後、最適な測定条件を決定したいと考えている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Functional characterization of Kunitz-type protease inhibitor Pr-mulgins identified from New Guinean Pseudechis australis2012

    • 著者名/発表者名
      Inagaki H, Kimoto H, Yamauchi Y, Toriba M, Kubo T
    • 雑誌名

      Toxicon

      巻: 59(1) ページ: 74-80

    • DOI

      DOI:10.1016/j.toxicon.2011.10.005

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification and functional characterization of Kunitz-type toxins from New Guinean Pseudechis australis2011

    • 著者名/発表者名
      Inagaki H, Kimoto H, Yamauchi Y, Toriba M, Kubo T
    • 雑誌名

      Peptide Science 2010

      巻: 66

    • 査読あり
  • [学会発表] Characterization of Phospholipase A2-like proteins, Kunitz-type protease inhibitors, and three finger toxins from Pseudechis rossignolii2011

    • 著者名/発表者名
      Inagaki H, Kimoto H, Yamauchi Y, Toriba M, Kubo T
    • 学会等名
      9th AP-IST meeting
    • 発表場所
      ロシアウラジオストック
    • 年月日
      2011-09-04
  • [学会発表] Bioactive peptides from venomous animals2011

    • 著者名/発表者名
      Inagaki H
    • 学会等名
      International Symposium 2011 for Healthcare
    • 発表場所
      韓国全州市又石大学(招待講演)
    • 年月日
      2011-05-13

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公開日: 2013-06-26  

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