本研究は、博物館がこれまでに果たしてきた役割や今後果たし得る役割を明確化し、その存在意義を明らかにするために、以下の調査を実施した。(1)北海道大学総合博物館の展示観覧者を対象にした博物館体験の記憶を問う質問紙調査及び面接調査、(2)同館の思い出を綴るエッセイの募集、(3)全国科学館連携協議会に所属する日本国内の科学館234館の現職職員を対象にした職業選択と過去の博物館体験との関わりについての質問紙調査及び面接調査、(4)上記(3)の対照群としての大学生と高齢者を対象にした質問紙調査。これらの調査を通して、経営効率や費用対効果の観点に立つ評価ではなく、博物館の活動の本質を正しく評価して存在意義を示す評価手法の一つのあり方を示すことができた。
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