「おばあちゃんの畑」という一つのテーマのもと、学校や、公民館などの公共施設、文化活動団体、「地域おこし」を目的するNPOなど地域の諸団体、博物館などが連携して活動することで、日本におけるエコミュージアムの可能性について実践的に研究するものである。 平成21年度は、地域で伝承されている様々な農業技術をはじめとした生活技術を掘り起こし、それらを伝承していく仕組み作りをおこなった。実践のなかで、都市部においては、伝統的な生活技術に興味を持ち、知りたい思う人々がいることが明らかになったが、地域に住む青年・壮年の人たちはそういった技術に対してほとんど興味が無いことが明らかとなった。 一方で、小学校における実践では、継続的に農業体験を積むことで、技術の伝承が想像していた以上に順調におこなわれることがわかった。 昨年度の実践を通し、「生活や文化がどのような経緯でつくられてきたかということを住人自身が探求し、それを保存、活用、展示する」というエコミュージアムの理念を実現するための問題点として、これから数十年地域を担っていくこととなる住民に積極的に働きかけていくことが重要であることがわかった。
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