研究課題/領域番号 |
21601011
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研究機関 | 独立行政法人国立科学博物館 |
研究代表者 |
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 事業推進部・学習企画・調整担当, 係長 (90259995)
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研究分担者 |
原田 光一郎 国立科学博物館, 事業推進部・連携協力課, 連携協力担当 (10450628)
芦谷 美奈子 滋賀県立琵琶湖博物館, 研究部博物館学研究領域, 主任学芸員 (50359270)
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キーワード | 学校標本 / 保存 / 博学連携 / データベース / プログラム |
研究概要 |
平成21年度は、学校の保有する標本の保管状況の実地調査を行い、さらに学校標本登録データベース(試行半)の開発を行った。また、学校標本活用プログラムの検討を行った。 (1)学校の保有する標本の保管状況の実地調査 学校の保有する学校標本の状況について、保存処理・整理段階にある学校、保存処理・整理を行っていない学校について実地調査を行った。前者では、50年以上前の当時の環境を検討可能なコレクションが見出され、さらにチョウの標本は国内に3体程度しか存在しない稀少な標本であることが確認された。これらの標本をもとに、標本の整理及び公開方法について検討を重ねた。後者では、岩石・鉱物標本の同定、整理を行ったが、同時にカモノハシやチンパンジー等の剥製、本物の人骨による全身骨格標本が見出された。これらは、学校の移管過程で扱いが不明確になっている学校備品であり、廃棄の可能性もあった標本である。本調査研究の目的である、貴重な学校標本の保全の必要性が明らかになった。本調査研究では、自然史標本を対象と想定したが、民俗系の学芸員より併せて、民俗系の標本についても情報収集の希望が寄せられ、今後協力体制を設けていく。 (2)学校標本登録データベースの開発・公開・評価 学校標本を登録するためのデータベースの試行版を制作した。これに収集した情報を登録し、関係者で登録、使用し、一般公開に向けて改良を加える。先行研究の一般参加の動物データベースの運用実態について情報を得ることができたので、開発の参考とした。 (3)学校標本活用プログラムの開発 学校標本を活用した学習プログラムの開発の検討を行った。(1)の標本同定の作業に生徒を参加させた。標本を活用可能なように保存・整備する過程自体が、標本を活用したプログラムとなりうることが示唆された。
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