本研究の目的は、科学系博物館において(1)博物館の学術標本の理解に重要なオーラル・ヒストリー(歴史証言の聞き書き)を博物館資料と位置づけデジタル・アーカイブ化し(2)コンテンツを展示・教育活動に活用する仕組みを構築することである。 今年度は、昨年度までに構築した動画データベースの具体的な利用場面を想定し、調査地等外出先から情報を記録する方法の必要性が明らかとなったため、スマートフォンを用いて位置情報や写真等のデータを投稿する機能を検討し、追加した。 ・Android端末から動画データベースシステムに対して画像・テキスト・地点情報等のデータを投稿可能とするアプリケーションを開発した。入力をスムーズにすることと、この投稿が速報的な意味合いを持つことを考慮し、地点情報はAndroid端末の経度緯度情報を自動取得することとした。なお投稿したデータに関し、詳細な位置情報は動画データベースの方で修正可能とした。また、野外における調査の状況を想定し、山間部など、端末が通信できない場所でも情報を記録できるよう、入力したデータはローカルに記録することができ、通信可能になった時点でデータをまとめて登録することも可能とした。 ・システムの将来的な発展、汎用化の可能性として、登録したデータの効率的な活用方法としてFacebook等のソーシャルメディアとの連携を想定し、最も簡便な方法として、データベースに投稿した内容を自動的にリンクとしてソーシャルメディアに投稿可能な機構を実装する手法について検討した。
|