本研究は、鯨類を用いハンズオン標本を研究・開発し、普及行事を通して、ハンズオン標本の有効性について検証するものである。鯨類は、哺乳類の中でも水中という特殊な環境に適応した骨格を持つ、教育的効果の高い動物である。また、大型であるため、骨格も大きく見やすいため、グループで理解しやすい利点がある。本研究は、3年計画で行い、初年度(21年度)は、標本の準備やハンズオン標本の組み立て方法等を検討した。ハンズオン用材料のオウギハクジラ(体長約5mのメスで、能登半島に漂着したもの)は、砂に埋設してあったものを掘り出し、各部分の破損の程度をチェックし、補強方法等を検討した。ハンズオン標本の設計の参考にするため、いおワールド鹿児島水族館(タイヘイヨウアカボウモドキ)、宮崎県総合博物館(カズハゴンドウ等)、下関市立しものせき水族館海響館(オウギバクジラ)、秋田県立博物館(オウギバクジラ)、八峰町文化交流センター(オウギバクジラ)、柏崎市博物館(クロミンククジラ)で、鯨類の骨格標本の調査を行った。設計や補修にあたっては連携研究者等の指導、助言を受け、制作に関する具体的な内容を検討した。その他比較のための、マイルカ類やツキノワグマ等の頭骨などの骨格を入手した。
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