本研究は、鯨類を用いハンズオン標本を研究・開発し、普及行事を通して、ハンズオン標本の有効性について検証するものである。3年計画で行い、初年度(平成21年度)は、日本各地の博物館等での鯨類の骨格標本調査、2年目(平成22年度)は、体長約5mのオウギハクジラを用いてハンズオン用の骨格標本一式と関連模型等の製作を行った。3年目(平成23年度)は、開発したハンズオン標本の有効性について検証するため、富山市科学博物館等での組み立て体験行事を実施し、参加者(小中学生、成人)にアンケート調査を行った。アンケートを分析した結果、参加者が楽しみながら比較的容易に組み立てを行っていたことが分かった。また、体感的な感想や骨の構造やヒトを含む哺乳類との比較等に関する様々な感想からも、参加者が「楽しみながら触れて組み立てを体験し、鯨類が大きな哺乳類であることを実感し、鯨類の骨格の構造や水中適応した骨格の特徴を考えてもらう」という開発目的は概ね達成されたと思われた。
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