平成21年度は、まず展示見学ツールに関する基礎的データを収集するために、ツールを使用しているミュージアムを視察し担当者から情報を集めるとともに、学会等にも参加しさまざまな情報収集と意見交換をおこなった。さらに琵琶湖博物館企画展「骨の記憶」開催前に紹介展示を設置し、事前アンケートを実施した。これらの基礎的データを参考にして、企画展で使用する展示見学補助ツールの試作版を企画開発した。企画展の前半期間において試作版ツールを来館者(こども連れのファミリーグループ)に利用してもらい、アンケート調査とインタビュー調査を実施し、使い勝手や各ツールにおける改善点等について検討した。おとなとこども別々に調査を実施し、それぞれの意見や思いを拾い上げるようにした。これにより、おとながこどもの利用状況を見て判断していることと、実際にそのこどもが感じていることとの間に相違がある場合があることも判明した。特に、おとながこどもには難しいだろうと考えがちなことも、こどもにとってはその難しさが楽しさにつながっていることもあることが明らかになった。試作版における調査結果を元に改良した完成版ツールを企画展後半で導入し、おとなとこども別々にアンケート調査をおこない、ツールの有効性などについて検証を試みた。
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