平成22年度は、前年度の調査結果から得られたデータの入力・分析作業を進めた。 また、本研究参加者、他館の学芸員、ツール製作者などと研究会を開催し、他館の実践を視察するとともに研究過程で明らかになってきた課題などについて議論を重ねた。特にツールを製作する上で、予算や人材が限られている中で、どのように技術的な課題を克服するかという点について、他館の実践事例における創意工夫点などを参考にすることができた。ツールの利用対象者に関わる人々、例えば学校教員や幼児教育に携わっている人々などを、できるだけ早い時期から開発メンバーに迎えて、それぞれの対象年齢者層の心理的、行動学的な特徴を視野に入れてツールの開発を進めることが、より楽しく利用しやすいツールの製作につながるということがわかった。さらに館の学芸員や研究者が積極的に参加し、ツールの活用を通じてどのようなことを伝えたいのかということを明確にし、それらが伝わるような工夫を凝らした製作をすることが、単なる手で触れられるものではなく、きちんとした教育教材として成り立つことにつながることがわかった。
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