• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

天然物の活性母核構造(fragment)を基盤とした新規生理活性分子の創出

研究課題

研究課題/領域番号 21603004
研究機関横浜市立大学

研究代表者

及川 雅人  横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 准教授 (70273571)

研究分担者 酒井 隆一  北海道大学, 水産科学研究科, 教授 (20265721)
キーワードグルタミン酸受容体 / リガンド / fragment evolution / 天然物
研究概要

イオンチャネル型クルタミン酸レセプター(iGluR)は、脊椎動物の中枢シナプスの神経伝達において中心的な役割を担い、創薬ターゲットとしても注目されている。iGluRは20種のサブタイプタンパク質が知られている構造・機能共に極めて多様性の高い受容体であるが、最近、研究代表者の及川はiGluRリガンド候補として多様な構造をる人工Gluアナログ類の化学合成を独自性の高い方法で行い、酒井(研究分担者)が生物活性を評価したところ、マウスの自発的行動を抑制する化合物IKM-159を見出した。またSwanson博士(研究協力者,Northwestern University, USA)はIKM-159が培養海馬神経細胞の自発的興奮性シナプス電流を抑制することも見出した。
そこで本研究でまIKM-159をはじめとするGluアナログの構造活性相関に関するデータを取得し、それをもとに構造最適化を合成化学的に行って、(1)活性を担う部分構造を明らかにする、(2)分子標的を明らかにしてその相互作用を明らかにする、(3)活性強度をIKM-159の100倍程度にまで向上させる、ことを目的としている。研究の方針はfragment evolution法に基づき行う。
H21年度は、IKM-159の大量調製を行った。具体的には、(E)-もしくは(Z)-iodoarcylic acidを用いるUgi/Diels-Alder反応によってオキサノルボルネン化合物へと高収率で導き、アリルアミノ基の導入およびドミノメタセシス反応を行ってヘテロ三環性化合物へと導いた。さらに、側鎖カルボキシル基への酸化と官能基の変換を行い、最後に酸加水分解ですべての保護基を除去して、IKM-159のラセミ体を400mg合成することに成功した。IKM-159の構造活性相関の解析のめに光学活性体調製の検討も進め、メントールとのエステル化によってジアステレオマーへと導き、高速液体クロマトグラフィーによる分離の検討を行う段階にまで到達することができた。
IKM-159の電気生理学的実験をSwanson博士が行い、GluA1/GluA2サブタイプを阻害することが明らかになり、これを論文投稿し、受理された。
さらに類縁体合成を進め、生物活性評価とAMPA受容体との相互作用解析へと進める予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Regioselective Domino Metathesis of Unsymmetrical 7-Oxanorbornenes with Electron-rich Vinyl Acetate toward Biologically Active Glutamate Analogues2009

    • 著者名/発表者名
      M.Oikawa, その他6名
    • 雑誌名

      Eur.J.Org.Chem. 2009号

      ページ: 5531-5548

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chemospecific Allylation and Domino Metathesis of 7-Oxanorbornenes for Skeletal and Appendage Diversities2009

    • 著者名/発表者名
      M.Ikoma, M.Oikawa, M.Sasaki
    • 雑誌名

      Eur.J.Org.Chem. 2009号

      ページ: 72-84

    • 査読あり
  • [学会発表] Synthesis and Bioactivity of Skeletally Diverse Glutamate Analogues2009

    • 著者名/発表者名
      及川雅人
    • 学会等名
      第25回内藤コンファレンス
    • 発表場所
      シャトレーゼ ガトー キングダム札幌
    • 年月日
      2009-09-09
  • [図書] ソレル有機化学(上巻、下巻)2009

    • 著者名/発表者名
      荒井孝義, 荒井緑, 有本博一, 石橋正己, 及川雅人, ほか11名(訳)
    • 総ページ数
      53
    • 出版者
      東京化学同人
  • [備考]

    • URL

      http://oiklab.sci.yokohama-cu.ac.jp/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi