研究課題/領域番号 |
21603005
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
繁森 英幸 筑波大学, 生命環境系, 教授 (70202108)
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研究分担者 |
山田 小須弥 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (70292521)
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キーワード | 光屈性 / Bruinsma-Hasegawa説 / Cholodny-Went説 / トウモロコシ / カラシナ / DIMBOA / 活性酸素 / stiffness |
研究概要 |
植物の光屈性のメカニズムとして、Cholodny-Went説が良く知られており、光側と影側でオーキシンの横移動が起こり、光屈性が誘起されるとしている。一方で、光屈性はオーキシンではなく、光誘導性成長抑制物質が光側で生成され、光側の成長が抑制されることによって引き起こされるという、Bruinsma-Hasegawa説が新たに提唱された。研究代表者らはこれまでにダイコン下胚軸の光屈性制御物質として、4-MTBIおよびRaphanusanin(Ra)を見い出し、これらの物質はいずれも光屈性刺激によって光側組織において短時間で増量し、影側や暗所下では増量しないことを明らかにした。また、これらの化合物はオーキシン活性抑制作用以外にも活性酸素の生成、それにともなうリグニンの蓄積によるcell-wall stiffnessの誘導にも関与していることを明らかにしてきた。そこで本研究では、トウモロコシ芽生えの光誘導性成長抑制物質として見出されたbenzoxazoidであるDIMBOAやMBOAに着目し、それらの成長抑制作用と光屈性との関連性を明らかにすることを目的とした。 野生型およびbenzoxazoinoid欠損変異株(bx1)のトウモロコシ芽生えに光屈性刺激(青色光)を一方向から与え、屈曲角およびH_20_2の蓄積を比較、検討した結果、野生株では顕著な屈曲が観察され、H_20_2の蓄積も認められたが、欠損株ではどちらもあまり変化が見られなかった。また、この際にはβ-グルコシダーゼ遺伝子が関与していることも明らかにした。一方で、カラシナ(Brassica juncea)芽生えの光屈性制御物質の探索を行い、活性成分としてtrisinapoylgentiobioseを見出した。本研究結果は、Bruinsma-Hasegawa説に基づく光屈性メカニズムの証明に貢献するものと思われる。
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