研究概要 |
蛍光タンパク質融合Pin1の基質リン酸化ペプチドへの結合を測定することで簡便なPin1阻害小分子探索系を構築し、Pin1阻害小分子を探索・単離し、その小分子を用いてPin1の細胞分裂への役割を化学生物学的に解析することを目的とした研究を行った。昨年に引き続き、Pin1とリン酸化ペプチドへの結合測定系の構築を行いさらに化合物の探索を行った。。 1.蛍光標識Pin1融合タンパク質を大腸菌で大量発現した ヒトPin1タンパク質およびその変異体(アミノ酸点変異体およびドメイン欠失体)のN端側に蛍光タンパク質(mVenus; EGFPをより明るくしたVenusタンパク質に、二量体になりにくい変異を入れたmonomeric Venus,Science 2002)を融合させたタンパク質を大腸菌で発現させた。 2.Pin1結合配列リン酸化ペプチドを96ウェルプレートの各ウェルに共有結合させる。 Pin1結合配列リン酸化ペプチドは、スレオニン239をリン酸化したヒトWee1A由来のペプチド配列(CQVNINPFpTPDSLL; pTはリン酸化スレオニン)を用いた。リン酸化していないスレオニンにしたペプチドも合成し、結合しない対照として用いた。リン酸化依存のPin1 3.mVenus-Pin1融合タンパク質発現大腸菌抽出液をリン酸化ペプチドを共有結合した96ウェルプレートに入れ、結合しなかったタンパク質を洗浄後、結合したタンパク質をmVenusの蛍光として定量し、この結合に影響を与える化合物を単離し、Pin1酵素活性を阻害する化合物が得られた。
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