ビーム衝突状態でフィードバックシステムがビームに与える影響を調べるため、KEKBリング衝突時にビームをフィードバックシステムを使って位相フィードバックを使った方法、及び単一周波数で強制振動する方法の両方で励振し、ビーム応答、ビームサイズ、ルミノシティに関する影響を調べる実験を行い、(1)ビームビームチューンシフト領域で大きな応答があり、ルミノシティを急激に悪化させることが分かった。(2)ビームビームチューンシフト領域からかなり離れた領域では、ビームサイズ、ルミノシティへの影響は見えないほど小さいものの、ビームが応答、励振出来ることが確認できた。振幅とビームサイズの実測値は、シミュレーションから予測されるルミノシティ悪化を引き起こす値と大きく食い違っており、今までのモデルでは説明できないことが分かった。引き続き来年度は、より精密で定量的なビーム応答実験と、シミュレーションモデルの再考を行う予定である。低ノイズバンチ位置検出回路については、部品の選定、手配を行い、現在KEKB用の2GHz検出システムを構築中である。また、DAFNEリングは有限角度衝突であり、クラブ空洞を使用する以前のKEKBと似た条件であるため、同様な実験を行い比較することが有益であるため、現地で打ち合わせを行い、来年度フィードバックノイズに関しての実験を共同で行うことで同意し、実験に向けての作業分担および大まかなスケジュールを決め、DAFNEリング用のシステム構築を開始した。
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