研究課題
計画の二年度目で、磁性体によるトランスの変換効率についての研究を進めた。通常用いられる鉄心、フェライトコア、アモルファス鉄の三種類のコアを用いてトランスの変換効率を調べるための測定を行ない、シミュレーションと比較することにした。効率には漏れ磁場の影響が大きいので、漏れ磁場を計算する方法の開発が重要であった。これにはANSYS有限要素法コードを用い、Fermilabとの共同研究でスクリプトを多用する方法を開発した。これは、シミュレーションを記述するプログラムと言えるまでに発展した。有限要素法を用いた新しいシミュレーション方式として注目されている。Fermilab側ではこれを用いた超伝導磁石のクエンチに関する研究が進んだ。日本でサンプルコアを作り、Fermilabに持ち込んでテストする計画であったが、Fermilabでの準備が遅れて、結局、年度を越えて予算執行を延期することになった。正式な予算を持った実験ではなく、Fermilabの好意でやる測定だったのでなかなかプライオリティーが取れず、縮小して、一部はこちらで行うようにして、この測定は6月で終了した。シミュレーションが進展したのでこのデータでも解析が出来ると考えられる。チョッパーの製作が今年度のもう一つの課題であったが、これは大電力のパワーモジュールを使うことで、特にドライバー回路を使わなくとも、ロジックレベルの信号で直接コントロール出来ることを見出した。コンピュータからの制御信号を直接パワーモジュールに送って高周波のスイッチングが出来る。震災で一部のデータが失われたために、再計算が必要となったが、電力規制のために遅れ、全体としての計画はさらに遅れることになった。
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IEEE Transaction on Plasma Science, vol.39
巻: 19 ページ: 730-736
IEEE Trans.Appl.Supercond.vol.20
巻: 19 ページ: 1399-1403