研究概要 |
Ni錯体を触媒に用い、HSiMe_2SiMe_2R(R=Me,Ph,H)とジフェニルアセチレンの付加反応を検討した。R=Me,Phの場合には、ケイ素-ケイ素間結合を保持したままSi-H結合の正常な付加反応が進行することを見いだした。HSiMe_2SiMe_2Hの場合にはケイ素-ケイ素間結合の切断が進行しテトラフェニルシロールが主として生成した。しかし、H(SiMe_2)_6Hの場合には両Si-H末端で正常な付加反応が進行した。従って、HSiMe_2SiMe_2Hの場合のみケイ素-ケイ素間結合の切断が異常に進行しやすいことが判明した。Pt触媒やPd触媒ではケイ素-ケイ素間結合の切断と不均化反応が進行し、目的とする付加反応を選択的に進行させることが出来なかった。 塩化アルミ触媒によるアセチレン類のヒドロポリシランとの反応を検討した。脂肪族アセチレンでは、0℃、1hという条件でさえ、内部アセチレンも含めて高収率かつケイ素-ケイ素間結合を切断することなく期待の反応が進行した。ただし、塩素やシアノ基等の官能基が結合したアセチレンでは収率は必ずしも高くはなかった。一方、芳香族アセチレンでは収率は低くケイ素-ケイ素間結合の切断を経た転位生成物等の副反応も進行した。しかし、-42℃でも触媒活性がありケイ素-ケイ素間結合の切断も大きく抑制できることを見いだした。オレフィン類の反応性について、B(C_6F_5)_3触媒で反応が進行することを認めた。
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