研究課題/領域番号 |
21605007
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 尚 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (20225832)
|
研究分担者 |
吉川 暹 京都大学, エネルギー理工学研究所, 特任教授 (60324703)
|
キーワード | 酸化亜鉛 / 酸化チタン / ポルフィリン / フラーレン / 導電性材料 / ナノ材料 / 結晶工学 / 有機太陽電池 |
研究概要 |
本研究は、希少金属元素インジウムを含んでいる透明導電膜スズドープ酸化インジウムの代替となり得る、ユビキタス元素Zn(亜鉛)、Ti(チタン)、あるいはC(炭素)を使用した結晶化度の高い一次元ナノ構造体からなる新しい透明導電膜の開発を行い、それを光電変換デバイスヘ適用して太陽光発電の高性能化を実現することを目的とする。 平成21年度は、水熱合成法と液相析出法の改良により、AlドープAZOナノロッドおよびNbドープNTOナノチューブからなる新規無機透明導電膜を製作することと、各種モノマーから構成されるグラフト化ポリマーを設計し、有機透明導電膜をつくることを計画し、いくつかの研究項目を並行して開始した。これまでに、酢酸亜鉛をガラス基板上にシーディングし、硝酸亜鉛を含むアルカリ溶液を加温すると、シードの上に酸化亜鉛ZnOナノロッドが形成されることを明らかにしている。さらに、硝酸亜鉛濃度と塩基性度および加温時の温度調整を詳細に検討した結果、ナノロッドの太さ(直径)とロッド長および充填密度が制御できることを見出した。一方、ZnOナノロッドに六フッ化チタンアンモニウム塩とホウ酸を加えて加温すると、酸化チタンナノチューブアレイができることをすでに見出している。このLPD法を行う際に、四塩化チタン処理を施すと、ナノチューブ表面に酸化チタンの微細な起ができることから、比表面積が増大することを確認した。また、結晶化度の高いC含有の有機薄膜として、のポルフィリン(p型)とフラーレン(n型)を組合わせた種々のナノアッセンブリー構築を試み、これまでに、針状、ファイバー状、あるいはミセル状で、高度な分子配向性をもつ分子集合体の構築を実現した。今後、他の候補となり得る材料探索を継続しつっ、それら無機/有機材料の導電性、透過率、キャリア密度、キャリア移動度の評価および太陽電池の組立てを実施する。
|