研究課題/領域番号 |
21605007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐川 尚 京都大学, エネルギー理工学研究所, 准教授 (20225832)
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研究分担者 |
吉川 暹 京都大学, エネルギー理工学研究所, 非常勤研究員 (60324703)
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キーワード | 太陽電池 / 高効率太陽光発電材料・素子 / ナノ材料 / 超薄膜 / 有機分子デバイス / インジウム / 酸化亜鉛 / 酸化チタン |
研究概要 |
本研究は、希少金属元素In(インジウム)を含んでいる透明導電膜SnドープIn203(ITO)の代替となり得る、ユビキタス元素Zn(亜鉛)、Ti(チタン)、あるいはC(炭素)を使用した結晶化度の高い一次元ナノ構造体からなる新しい透明導電膜の開発を行い、それを光電変換デバイスへ適用して太陽光発電の高性能化を実現することを目的とする。平成22年度は、水熱合成法の改変により、LiドープZnOナノロッドからなる新規無機透明導電膜の製作と、電界紡糸法による導電性ポリマーのポリ(3-ヘキシルチオフェン)からできたナノファイバーからなる有機透明導電ファイバーマットの製作を検討した。平成22年8月までに異種元素Liがドープされたナノロッドからなる新規無機透明導電膜を製作し、探索した各種モノマーから構成される結晶性有機透明導電膜をつくるとともに、透明導電膜の導電性、透過率を計測し、平成22年9月よりキャリア密度、キャリア移動度の評価を行い、太陽電池の組立てとソーラーシミュレーターによる光電変換特性評価を実施する予定であったが、面内キャリア移動度の評価方法として実施した比抵抗/ホール効果測定装置による計測に精度の問題が発生したので、空間電荷制限電流法による移動度の評価を別途検討した。さらに平成21年度末より、Photo-CELIV法による接合面間キャリア移動評価を開始しており、実デバイスとしての接合設計条件を最適化することで、新しい透明導電膜創製実現を検討した。また、結晶化度の高い有機薄膜として、ドナー性(p型)で立体規則性{regioregularity(rr-)}の高いポリ(3-ヘキシルチオフェン)(rr-P3HT)からできたナノファイバー状マット構築に成功したので、この結晶性有機材料の導電性、透過率、キャリア密度、キャリア移動度の評価および太陽電池の組立てを平成23年度に実施する。
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